2024年8月25日よりブログ開始!

脱アルコール技術を知ると、ノンアルワインがもっと美味しくなる!

ノンアルワインてどうやって作る?サムネイル

こんにちは、グレぴよです。
今日もブドウ・ワインの勉強をするよ!

営業マン太郎

最近はどの飲み会でも、ノンアル飲料を注文しやすい風潮になってきたよね〜。昨日たまたまノンアルコールワインを飲んだんだけど、本物のワインみたいな味わいで驚いたよ!

グレぴよ

技術の進化を感じるよね〜。最新の動向が学術雑誌で発表されたから、紹介するよ!

今回の記事で分かること
  • 健康志向の高まりと温暖化により、脱アルコール技術の需要が増している
  • 様々な脱アルコール技術が開発され、アルコール度数0.5%以下まで減らせるようになった
  • 課題として、アルコールのみを除くことが難しくワインらしい香味を保つためには工夫が必要
  • 「世界を代表する研究者が注目しているノンアルコールワイン8選」の情報が得られる

◾️本記事の参考情報
Food and Bioprocess Technology 2024年3月11公開
https://doi.org/10.1007/s11947-024-03336-w
Impact Factor 5.3 (2023)

目次

脱アルコールワインが注目されている理由

脱アルコール技術は、
①健康志向の高まり
②温暖化に伴うアルコール度数の上昇(ブドウの糖分上昇による)
によって急速に需要が増しています。

グレぴよ

世界のノンアルコールワイン市場は、2023年時点で約3300億円。2031年には6750億円に達すると予測されているよ!

ノンアルコールワインを生産する方法は、大きく下記の2つです。
①通常のワインを発酵により生産した後、アルコールを取り除く
②そもそもアルコールが産生されないような手法で、ワインのような味わいの飲料を作る

営業マン太郎

へぇ…!なんとなくだけど、①の方が美味しそうな気がするよ!

グレぴよ

うん! 色んなノンアルコールワインを飲んだけど、やっぱり発酵後に脱アルコールしたタイプの方が、ワインっぽい味がして好きだなぁ〜。

この記事では、①の脱アルコール技術について、最新の動向をまとめています。

脱アルコール技術の最新動向

ワインのアルコール含量を減らすことを目的として、3つのステップ(発酵前・発酵中・発酵後)ごとに様々な方法が提案・実践されています。

3ステップ(発酵前・発酵中・発酵後)における脱アルコール方法

引用元(一部改変):Food and Bioprocess Technology

発酵を利用した方法でノンアルコールワインを生産するためには、アルコール除去効率の高い”発酵の脱アルコール技術”が極めて重要となります。

発酵後の脱アルコール技術について、現在は主に下記の6つが利用されています。
①逆浸透膜(RO)
②浸透濃縮(OD)
③ナノ濾過膜(NF)
④真空蒸留(VD)
⑤浸透気化法(PV)
⑥スピニングコーンカラム(SCC)

《発酵後ワインの脱アルコール技術》

引用元(一部改変):Food and Bioprocess Technology

営業マン太郎

なんだか急に難しいけど、これらの方法によって美味しいノンアルコールワインが生産されているんだね。

グレぴよ

実際は課題も多いんだ。順に整理していくよ!

脱アルコール処理がワインに与える影響

現在の脱アルコール技術は、アルコール以外の様々な成分に対して影響を及ぼし、外観や美味しさを損なう場合があります

発酵後の脱アルコール処理が、ワインの分析値に与える影響を表にまとめました。
※矛盾する報告もありますが、全体的な傾向を示しています。

スクロールできます
脱アルコール処理による分析値の変化理由
総酸度増加↑濃縮効果
pH減少↓酸度上昇
SO2減少↓SO2分子の揮発、酸化による消費
色の濃さ増加↑濃縮効果、酸化による変化
フェノール化合物増加↑処理に伴う酒石酸の減少 ※酒石酸はポリフェノールと結合する
香気成分減少↓揮発、熱分解

参考:Food and Bioprocess Technology

グレぴよ

結果として、味わいにも影響が出てくるよ!

発酵後の脱アルコール処理が、ワインの香味に与える影響を表にまとめました。
※矛盾する報告もありますが、全体的な傾向を示しています。

スクロールできます
脱アルコール処理による香味の変化増加↑酸味、渋み、色の濃さ
減少↓甘み、ボディ(粘性)、フルーティさ、フローラルさ、赤い果実の香り、スパイシーさ

参考:Food and Bioprocess Technology

脱アルコール処理で増加する”酸味”について、総酸度の増加だけが原因ではなく、アルコール含量の大幅な低下により相対的な酸度とのバランスが崩れ、人間の味覚が”酸が強い”と認識すると考察されています。

脱アルコール処理で増加する”渋み”について、pHが下がると唾液の粘度が低下するため、渋みが強くなると考えられています。

脱アルコール処理で減少する”ワインらしい香り”について、香気成分(特にエステルとテルペン)の損失が主要因ですが、アルコールが減少することで香気成分がタンパク質と結合しやすくなり、液中に留まりやすくなって揮発性が低下することも起因する模様。

まとめ:美味しいノンアルコールワインは創意工夫の賜物!

脱アルコール技術の最新動向を紹介しました。1〜4%程度アルコールを除去するだけであれば多くの香味成分を保持可能ですが、アルコール含量を3%以下にすると香気成分の90%以上が失われる状況です。

美味しいノンアルコールワインを生産するためには、香気成分を後添加したりなど、香味変化に応じた解決策を施す必要があります。

営業マン太郎

アルコールだけを除くことが如何に難しいか、なんとなく理解できたよ!ノンアルコールワインに対する見方が変わったなぁ〜

グレぴよ

ノンアルコールワインは今後も拡大していく消費者需要の高い市場。さらに技術が進歩することで、ワインと大きく変わらない香味のノンアルコールワインが一般化されていくと嬉しいよね!

あとがき

グレぴよ

ちなみに、今回紹介した学術記事では、注目される脱アルコールワインのブランドを8つ紹介していたよ。

  1. YOURS Non-Alcoholic California Red Blend
  2. Ariel Non-Alcoholic Cabernet Sauvignon
  3. Be Well Cabernet Sauvignon Non-Alcoholic Red Wine
  4. Giesen 0%
  5. Thomson & Scott Noughty Rouge Dealcoholized Wine
    ↑楽天市場で発見
  6. St. Regis Non-Alcoholic Cabernet Sauvignon
  7. Leitz Eins Zwei Zero Riesling
    ↑Amazonで発見
  8. Starla Wines
営業マン太郎

日本で入手できるブランドもあるね!
世界を代表する研究者が注目しているノンアルコールワインだし、一度試してみようかな…!

以上、グレぴよでした!

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