※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。
こんにちは、グレぴよです。
今日もブドウ・ワインの勉強をするよ!
昨日、仕事終わりの飲み会がイタリアンだったんだけど、赤ワインとチーズの組み合わせが最高だったんだよなぁ~。
ワインにチーズは欠かせないよねぇ~。科学的な裏付けも検討されているみたいだから、最新論文の内容を説明するよ!
- 赤ワインと最も相性の良いチーズは ”セミハードチーズ” である
- 理由1:セミハードチーズが赤ワインの渋みを抑える
- 理由2:セミハードチーズと赤ワインの組み合わせが、最も赤ワインによる口腔内の洗浄効果を高める
◾️本記事の参考情報
Curr Res Food Sci. 2024年6月17日公開
https://doi.org/10.1016/j.crfs.2024.100792
Impact Factor 6.2 (2023)
背景情報:赤ワインとチーズのペアリング
チーズと赤ワインのペアリングは、世界中で愛されている美味しい組み合わせです。
しかし、何故この組み合わせが特に美味しいのか、その理由の科学的な解明は未だ途上です。
この記事では、チーズと赤ワインのペアリングに関する最新文献の内容を解説します。
研究に使用したワインとチーズ
今回の研究で使用されたワインはこちら。
分類 | ヴィンテージ | 品種 | 国 | 地域 |
---|---|---|---|---|
赤 | 2022 | マリオッコ | イタリア | カラブリア州 |
マリオッコって何…?
カラブリア州の場所もわからない…
マリオッコ(Magliocco; 通称ガリオッポ)は、南イタリアの土着品種だよ! カラブリア州はイタリアのつま先だね。例えばこんな (←楽天市場リンク) ワインだよ。
続いて、今回の研究で使用されたチーズはこちら。
分類 | 熟成期間 | 脂肪含有率 | 原料 | 国 |
---|---|---|---|---|
セミハードチーズ | 43日 | 50% | 水牛 | イタリア |
プリモサーレチーズ | 6日 | 17% | ||
ハードチーズ | 60日 | 45% | ||
リコッタチーズ | 7日 | 23% |
南イタリアの赤ワインと4種類のチーズを使用して、口腔内での相互作用をシミュレーションしました。
チーズがワイン中の渋み成分と結合する!
チーズと赤ワインを口の中に含んだ際の現象を、試験管内で再現します。
- 赤ワイン10 mLとチーズを唾液1 mLと37°Cで15 秒間混合(←口腔内の再現)
- 得られた混合物を遠心分離して、上澄み液を回収(←渋み成分とチーズが相互作用すると、上澄み液の渋み成分量が減少する)
- 上澄み液中の渋み成分(タンニンやアントシアニンなど)を定量分析(←ワインの渋み抑制効果を評価)
結果、セミハードチーズが赤ワイン中の渋み成分を45%減らし、他のチーズと比較して最も赤ワインの渋みを抑える効果があるとわかりました。
引用元(一部改変):Curr Res Food Sci.
セミハードチーズは、他のチーズよりもβ-カゼインというタンパク質の含有量が多いんだ。このタンパク質が渋み成分と結合しやすいから、高い渋み除去効果を示したと考えられるよ!
チーズは、乳タンパク質(カゼインやラクトグロブリンなど)と脂肪で構成されています。
渋み成分(フェノール化合物)は、β-カゼイン>α-カゼイン>β-ラクトグロブリン の順で、乳タンパク質に結合しやすいことが分かっています。
チーズを食べた後の口腔内をワインが洗浄する!
口腔内に残るチーズの量は、チーズの脂肪含有量に大きく依存することが分かっています。
脂肪量が多いチーズを食べると、口の中にチーズが残りやすい、ということだね!
次の実験では、口腔内に残ったチーズ成分および唾液成分に対する赤ワインの洗浄効果をシミュレーションしました。
- 唾液3 mLをチーズ1 gと37°Cで2分間混合(←口腔内の再現)
- 得られた混合物を遠心分離して、上澄み液を回収
- 上澄み液中50 μLと赤ワイン25 μLを37°Cで5分間混合(←赤ワインと相互作用すると、上澄み液中のタンパク質量が減少する)
- 得られた混合物を遠心分離して、上澄み液中のタンパク質量を分析(←ワインの洗浄効果を評価)
結果、セミハードチーズもしくはプリモサーレチーズが、渋みの原因となる唾液タンパク質を効果的に抑制することがわかりました。
引用元(一部改変):Curr Res Food Sci.
また、セミハードチーズもしくはリコッタチーズと赤ワインの組み合わせが、赤ワインの洗浄効果を高めることがわかりました。
引用元(一部改変):Curr Res Food Sci.
最後に、これらの結果を統合して、赤ワインと相性の良いチーズをスコアリングしました。
結果、セミハードチーズと赤ワインの組み合わせが、最も相性が良いことがわかりました。
引用元(一部改変):Curr Res Food Sci.
ペアリングスコアは、下記の式で算出されています。
ペアリングスコア = [1− (1−Δ洗浄効果) × (1−Δ唾液タンパク質の除去効果)] × 残留脂肪 (g)
Δ洗浄効果:赤ワインによる総タンパク質の減少
Δ唾液タンパク質の除去効果:チーズによる渋み原因タンパク質の減少
残留脂肪:6 gのチーズを食べた後に口の中に残る脂肪量
つまり、チーズがワインの渋味を抑え、ワインが口腔内をクレンジングする効果が高いと、ペアリングスコアが高くなります。
まとめ:赤ワインと最も相性の良いチーズは”セミハードチーズ”
①セミハードチーズが、最も赤ワインの渋味を抑えること
②セミハードチーズと赤ワインの組み合わせが、最も赤ワインによる口腔内の洗浄効果を高めること が理解できたよ!
今回は4種類のチーズの中での比較だったけど、「脂肪量とタンパク質(特にβ-カゼイン)の割合が高いチーズ」なら、赤ワインと相性が良いのかもしれないね!
あとがき
ペアリングって奥が深くて面白いな。味覚は個人差が大きいから、科学的な情報はきちんと理解した上で、自分にとって最適なペアリングを見つけ出したいよね!
とりあえず今日はセミハードチーズとマリオッコワイン (←楽天市場リンク) で晩酌だぁ~
以上、グレぴよでした!
コメント