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こんにちは、グレぴよです。
今日もブドウ・ワインの勉強をするよ!
最近はどの飲み会でも、ノンアル飲料を注文しやすい風潮になってきたよね〜。昨日たまたまノンアルコールワインを飲んだんだけど、本物のワインみたいな味わいで驚いたよ!
技術の進化を感じるよね〜。最新の動向が学術雑誌で発表されたから、紹介するよ!
- 健康志向の高まりと温暖化により、脱アルコール技術の需要が増している
- 様々な脱アルコール技術が開発され、アルコール度数0.5%以下まで減らせるようになった
- 課題として、アルコールのみを除くことが難しく、ワインらしい香味を保つためには工夫が必要
- 「世界を代表する研究者が注目しているノンアルコールワイン8選」の情報が得られる
◾️本記事の参考情報
Food and Bioprocess Technology 2024年3月11公開
https://doi.org/10.1007/s11947-024-03336-w
Impact Factor 5.3 (2023)
脱アルコールワインが注目されている理由
脱アルコール技術は、
①健康志向の高まり
②温暖化に伴うアルコール度数の上昇(ブドウの糖分上昇による)
によって急速に需要が増しています。
世界のノンアルコールワイン市場は、2023年時点で約3300億円。2031年には6750億円に達すると予測されているよ!
ノンアルコールワインを生産する方法は、大きく下記の2つです。
①通常のワインを発酵により生産した後、アルコールを取り除く
②そもそもアルコールが産生されないような手法で、ワインのような味わいの飲料を作る
へぇ…!なんとなくだけど、①の方が美味しそうな気がするよ!
うん! 色んなノンアルコールワインを飲んだけど、やっぱり発酵後に脱アルコールしたタイプの方が、ワインっぽい味がして好きだなぁ〜。
この記事では、①の脱アルコール技術について、最新の動向をまとめています。
脱アルコール技術の最新動向
ワインのアルコール含量を減らすことを目的として、3つのステップ(発酵前・発酵中・発酵後)ごとに様々な方法が提案・実践されています。
《3ステップ(発酵前・発酵中・発酵後)における脱アルコール方法》
引用元(一部改変):Food and Bioprocess Technology
発酵を利用した方法でノンアルコールワインを生産するためには、アルコール除去効率の高い”発酵後の脱アルコール技術”が極めて重要となります。
発酵後の脱アルコール技術について、現在は主に下記の6つが利用されています。
①逆浸透膜(RO)
②浸透濃縮(OD)
③ナノ濾過膜(NF)
④真空蒸留(VD)
⑤浸透気化法(PV)
⑥スピニングコーンカラム(SCC)
《発酵後ワインの脱アルコール技術》
引用元(一部改変):Food and Bioprocess Technology
なんだか急に難しいけど、これらの方法によって美味しいノンアルコールワインが生産されているんだね。
実際は課題も多いんだ。順に整理していくよ!
脱アルコール処理がワインに与える影響
現在の脱アルコール技術は、アルコール以外の様々な成分に対して影響を及ぼし、外観や美味しさを損なう場合があります。
発酵後の脱アルコール処理が、ワインの分析値に与える影響を表にまとめました。
※矛盾する報告もありますが、全体的な傾向を示しています。
スクロールできます
脱アルコール処理による分析値の変化 理由 総酸度 増加↑ 濃縮効果 pH 減少↓ 酸度上昇 SO2 減少↓ SO2分子の揮発、酸化による消費 色の濃さ 増加↑ 濃縮効果、酸化による変化 フェノール化合物 増加↑ ※酒石酸はポリフェノールと結合する 処理に伴う酒石酸の減少香気成分 減少↓ 揮発、熱分解
結果として、味わいにも影響が出てくるよ!
発酵後の脱アルコール処理が、ワインの香味に与える影響を表にまとめました。
※矛盾する報告もありますが、全体的な傾向を示しています。
スクロールできます
脱アルコール処理による香味の変化 増加↑ 酸味、渋み、色の濃さ 減少↓ 甘み、ボディ(粘性)、フルーティさ、フローラルさ、赤い果実の香り、スパイシーさ
脱アルコール処理で増加する”酸味”について、総酸度の増加だけが原因ではなく、アルコール含量の大幅な低下により相対的な酸度とのバランスが崩れ、人間の味覚が”酸が強い”と認識すると考察されています。
脱アルコール処理で増加する”渋み”について、pHが下がると唾液の粘度が低下するため、渋みが強くなると考えられています。
脱アルコール処理で減少する”ワインらしい香り”について、香気成分(特にエステルとテルペン)の損失が主要因ですが、アルコールが減少することで香気成分がタンパク質と結合しやすくなり、液中に留まりやすくなって揮発性が低下することも起因する模様。
まとめ:美味しいノンアルコールワインは創意工夫の賜物!
脱アルコール技術の最新動向を紹介しました。1〜4%程度アルコールを除去するだけであれば多くの香味成分を保持可能ですが、アルコール含量を3%以下にすると香気成分の90%以上が失われる状況です。
美味しいノンアルコールワインを生産するためには、香気成分を後添加したりなど、香味変化に応じた解決策を施す必要があります。
アルコールだけを除くことが如何に難しいか、なんとなく理解できたよ!ノンアルコールワインに対する見方が変わったなぁ〜
ノンアルコールワインは今後も拡大していく消費者需要の高い市場。さらに技術が進歩することで、ワインと大きく変わらない香味のノンアルコールワインが一般化されていくと嬉しいよね!
あとがき
ちなみに、今回紹介した学術記事では、注目される脱アルコールワインのブランドを8つ紹介していたよ。
- YOURS Non-Alcoholic California Red Blend
- Ariel Non-Alcoholic Cabernet Sauvignon
- Be Well Cabernet Sauvignon Non-Alcoholic Red Wine
- Giesen 0%
- Thomson & Scott Noughty Rouge Dealcoholized Wine
↑楽天市場で発見 - St. Regis Non-Alcoholic Cabernet Sauvignon
- Leitz Eins Zwei Zero Riesling
↑Amazonで発見 - Starla Wines
日本で入手できるブランドもあるね!
世界を代表する研究者が注目しているノンアルコールワインだし、一度試してみようかな…!
以上、グレぴよでした!
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