※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。
こんにちは、グレぴよです。
今日もブドウ・ワインの勉強をするよ!
太郎くん!ナノプラスチックって聞いたことある?
ブドウとナノプラスチックに関する最新ニュースが見つかったから紹介させて!
ナノプラスチック、マイクロプラスチックとか聞いたことあるよ!今日は仕事が順調で気分がいいから、グレぴよの勉強に付き合ってあげよう!
- ナノプラスチックはブドウに取り込まれ、葉・茎・根に広く分布する
- ナノプラスチックはブドウに対して酸化ストレスを与える
- ブドウはナノプラスチックから身を守るために、複数の代謝経路を動かして、抗酸化物質の産生を促進する
◾️本記事の参考情報
J Hazard Mater. 2024年8月15日公開
https://doi.org/10.1016/j.jhazmat.2024.135550
Impact Factor:12.2(2023)
なぜナノプラスチックが問題なのか
ナノプラスチックとは、直径が100 nm(1 mmの1万分の1)以下の非常に小さなプラスチック片のことです。
私たちの日常生活で使用されるプラスチック製品が劣化する過程で生成され、海洋や土壌など幅広く存在し、生態系や人間の健康に影響を与える可能性が指摘されています。
なんだか怖い気もするけど、一方で、そんなに小さいなら身体に入っても大したことないんじゃない?って気もするなぁ…
ナノプラスチックが重金属や有機汚染物質を吸着しているかもしれないし、ナノプラスチックが土壌微生物叢の構成を変えて、栄養循環や植物の成長へ悪影響を与えるかもしれないし… 影響を正しく見極めるためには研究が必要なんだ!
園芸作物に対するナノプラスチックの影響は殆ど研究されておらず、特にブドウの中へ吸収・輸送されるかどうかは全く知見がありません。そこで、本記事では、ブドウがナノプラスチックを吸収するかどうか、ナノプラスチックがブドウの生育に影響を与えるかを紹介します。
ナノプラスチックはブドウ内部に取り込まれる
水耕栽培されたブドウに対して、100 nmのナノプラスチックを供して、15日間後に顕微鏡でブドウを観察しました。
その結果、ナノプラスチックが根、茎、葉から検出され、ブドウ内部に吸収されることが示されました(下図)。
引用(一部改変):J Hazard Mater.
蛍光標識したナノプラスチックを実験に使っているため、赤く光って見えるよ!
たった15日間でも、しっかりとブドウ内部に取り込まれちゃうんだね…!
植物(@根)におけるナノプラスチックの推定吸収経路
①エンドサイトーシスまたは膜チャネル(アクアポリンなど)を介して、細胞内へナノプラスチックを吸収
②細胞内には入らず、細胞間空間を通って植物内を移動
ナノプラスチックはブドウの抗酸化機構に影響を与える
次に、ナノプラスチックがブドウに与える酸化ストレスの程度を評価しました。
その結果、ナノプラスチックによってブドウが酸化ストレスを受け、抗酸化酵素が活性化されることが分かりました。
引用(一部改変):J Hazard Mater.
CATっていう抗酸化酵素は不活性化しているように見えるけど?
他の研究でも、CAT(カタラーゼ)活性はナノプラスチックによって上昇する例もあれば、減少する例もあるみたい。植物種の違いが影響しているかもしれなくて、もう少し研究が必要だよ!
続いて、ナノプラスチックによって変化する遺伝子発現・代謝物量を網羅的に解析しました。
その結果、ブドウは複数の代謝経路を動かして、環境変化に適応するために防御因子を活性化させました。
引用(一部改変):J Hazard Mater.
ビッグデータを解析することで明らかになったよ! 昔と比べると低コストで高精度に解析ができるようになったよね。
まとめ:ナノプラスチックはブドウにストレスを与えている
ナノプラスチックは、ブドウの中に入り込んで、酸化ストレスを増強してしまう、ということが良く分かったよ!
ブドウは明らかにナノプラスチックを異物として認識しているよね!
今回の研究では、ナノプラスチックに曝露された期間が15日だったから、もっと長期間だとどんな影響が出るのか気になるところかな!
あとがき
ブドウだけじゃなく、ナノプラスチックは広く農作物に取り込まれているから、それを食べる人間の体内にも入っていると考えられているよ。今年の3月に、初めて日本人の血液からナノプラスチックが検出されたみたい。真剣に考えないといけない問題だよね。
生分解性プラスチックのカップ(←Amazonリンク)とか調べてみたけど、正直値段が高いね…! 自分にできることを少しずつ考えていきたいな。
以上、グレぴよでした!
コメント